赤ちゃんの病気は進行が早いため、症状は悪化しやすく、また快方に向かい易くもあります。その上、合併症を起こしやすいため、原因が1つであっても2,3つの症状が同時に現れることもあります。
また、赤ちゃんは自分の症状を伝えられないので、一体どこが悪いのか、何科を受診すればよいのか、悩むことがあります。今回は、どんなお子さんにも身近に起こりうる症状と実際に受診した病院について、私の経験をもとにお話したいと思います。
目次
風邪?…鼻水・咳が出る時はどこに受診する?
鼻水を伴う症状があった場合
季節の変わり目になると、鼻水を伴った風邪をひくことが良くあります。
大人にとってはたかが「鼻風邪」と思われがちですが、鼻水を伴った風邪は赤ちゃんにとって、そして親にとっても一大事です。
授乳中鼻で息が出来ないためにうまく飲めない、寝ている間も鼻呼吸ができないからと言って口呼吸もうまくできないため、苦しくなり何度も目を覚ましてぐずる、泣く…そして親子共々寝不足に…なんてこともあり、結構辛いものがあります。一刻も早くこの状況を打開したいですよね。
この場合受診する病院として考えられるのは、小児科と耳鼻科です。
風邪で耳鼻科に行っていいの!?
どちらを受診しても良いと思いますが、主な症状が鼻水であり、鼻水がのどに流れて刺激になることが原因で咳がでていることがはっきりとわかるような場合は、耳鼻科を受診した方が良いと思います。
耳鼻科に受診すると、鼻吸引や鼻・喉の吸入の処置をしてもらえるので一時的ではありますがすっきりしますし、耳の状態も診てもらえるので、中耳炎を併発していた場合でも早期発見・治療ができるため、赤ちゃんの負担が少なくて済みます。
赤ちゃんは、耳の構造が未熟なため、中耳炎になりやすい傾向にあります。特に、鼻水の色が緑色の場合は細菌感染しているため、あっという間に急性中耳炎に悪化してしまうので、鼻水の具合をみることも重要です。
うちの息子たちは、鼻風邪をひくと同時くらいに滲出性中耳炎になってしまうため、まだ早いかな?くらいの時期に受診することを心がけています。
咳が伴う症状があった時はどこに受診する?
先程もお話しましたが、明らかに鼻水が原因とみられる咳の場合は耳鼻科の受診が良いと思います。
ですが、鼻水が治まっても咳が治らない、呼吸音に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」というような異音があったり、咳に犬吠様の「ウォンウォン」という音が混ざったりする場合は、すぐに小児科を受診した方が良いです。
このような症状は喘息、気管支炎、肺炎、クループなどを併発している可能性が高いからです。赤ちゃんの場合は、単なる鼻風邪のような症状が、細菌の種類や体力、免疫の強さによって炎症の程度が重くなることはよくあります。
うちの長男は、かぜが治ったかと思い、予防接種のため小児科を受診した際、気管支炎が判明し、予防接種を延期したことが2度あります。
素人では全く気付かないような状態で症状が悪化している場合もあるので、咳を伴った風邪をひきやすいお子さんの場合は要注意です。
熱がある場合に受診するのは何科?
熱がある時は、小児科の受診を考えた方がいいです。なぜかというと、症状が発熱から始まる小児の感染症が非常に多いからです。
例えば特に6ヶ月~2歳くらいの乳幼児で発熱、発疹があった場合は突発性発疹の可能性が高いのですが、これは熱が下がった後に表れる発疹の状態をみて、ようやく明確な診断が下されることが多いです。
熱を伴う病気の場合は、熱の上がり方や発疹の状態などの経過を観察し、初診から数日経ってからようやく何の病気だったのか判明するということもよくあります。
そのため、発病の初期段階から小児科の医師に経過を見てもらい、その際に今の症状から考えられる病名を聞き、次に起きうる症状や次に受診する必要がある場合はそのタイミングなども聞いておきましょう。
また熱が出た時、以下のことにも気を付けて症状の経過を観察し、できれば記録しておき、受診した際に医師に詳細を伝えるようにしましょう。
○熱は何度あったか、時間を見て定期的に記録する(どのくらいの期間に何度あったか、いつ下がったか、またいつ再度熱が上がったか…など)
○水分はとれているか、おしっこは出ているか
○元気があるか、ぐずりはひどくないか
○耳を気にして触っている様子はあるか
○風邪(またはそれに似た)症状はあるか
○発疹など皮膚の異常が伴う時は、いつから、どの部位、どのような状態か
○嘔吐・下痢は伴うか
他にも気になる症状があった場合は、しっかりと記録し、経過をなるべく詳しく医師に伝えましょう。そうすることで医師から的確な診断がなされ、より症状に合った治療・投薬が可能になります。
それは病気の早期回復につながるため、お子さんの負担がより軽減される可能性が高くなります。また、できれば初期の段階から診察を受け、症状が悪化する前に病気を回復させることもさらにお子さんの負担軽減につながるためお勧めです。
さいごに
病気は突然やってきます。保護者が突然の事態に素早く的確に行動することができると、お子さんの大切な未来を救うことにもつながります。
ぜひ普段から様々な事態を想定し、家庭で看護するための道具類の準備、行きつけの病院の選定、緊急時用の持ち物の準備等をしておきましょう。
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