最近よく聞く「産後クライシス」という言葉。「残念な夫」というドラマのテーマにもなったことで、より一層身近な話題になったのではないでしょうか。
「産後クライシス」とは主に、出産後に配偶者への愛情を持てなくなる状態のこと。その傾向は特に女性に多く、「夫を愛していると実感する」と回答した人の割合が、妊娠中に70.9%だったのに対し、出産後には40.4%、2年後には22.7%にまで下降したというデータ(ベネッセ次世代育成研究所調べ)があるほどです。
ただただ幸せなことだと思っていた「第一子出産」を迎え、どうして男女間でこれほどの愛情の差が生まれてしまうのでしょうか?
目次
産後クライシスに陥る原因とは?
原因1:夫の家事&育児への不参加
育児は昼夜問わずの大仕事。共働き家庭に限らず、専業主婦の妻でも一人ですべてをこなすのは至難の技です。特に出産直後はホルモンバランスの乱れに加え、育児のコツが掴めず大変な時期。一方、初めて父親になる夫には、その大変さがいまいち分かりません。「自分の仕事=外で一生懸命働き、お金を稼いでくること」というメンタルを持ち続けている人が非常に多いことが、妻のイライラを悪化させる原因に。
原因2:夫婦間の温度差
毎日同じように会社に行って仕事をする夫と違い、妻は一日中家のなかで赤ちゃんと二人っきりで過ごす生活が始まります。ライフスタイルの変化は、精神的に大きな影響を与えるもの。掃除、洗濯、ご飯の用意など、「今までと同じこと」を求められるだけでもプレッシャーや焦りを感じてしまうことでしょう。それに対し夫は悪気なく、「どうしていつも通りのことが出来ないの?大して難しいことを頼んでいるわけではないのに。」といったことを言葉にしてしまいがち。二人の間に生まれた温度差から、出産前はありえなかったような夫婦喧嘩へと発展することも少なくありません。
■産後クライシスに陥らないための秘訣
お互い思っていることをなんでも話す
まずはコミュニケーションを大切にすることから!お互い、初めて父親、母親になるのですから、抱える悩みだって今まで感じたことのないようなものばかり。妻は、すべて抱え込もうとせずに「〜を手伝ってくれると嬉しい、〜をする余裕がないから助けてほしい」とちゃんと伝えること。もちろん、家事や育児を手伝ってもらうのであれば、寛容な気持ちで見守ることを忘れずに!ダメ出しばかりしていては、夫も手伝いづらくなってしまいます。
夫婦間でのルール作り
「言わなくても気づいてほしい」と思う女性に対し、男性は「言葉で伝えてほしい」と思っているもの。「私がこんなに大変そうにしているのに、どうして気づいて手伝ってくれないの?」と怒るのはちょっとお門違いです。夫婦の時間を作り、家事・育児の分担などルールを決めてしまいましょう。言葉に書き起こすことで、誤解が生まれることもだいぶ減るはずです。
夫が「できる範囲で」育メンになるようにしよう
まず気をつけなくてはいけないのは、メディアで取り上げられる「育メンの定義」を、そのまま自分たち夫婦に当てはめないこと。家庭の状況は、家ごとにまったく違います。平日遅くまで仕事をしている夫にあれもこれもと頼むのは酷でしょう。かといって、仕事をおざなりしてまで家事・育児を手伝ってほしい訳ではありませんよね?旦那さんには育メンを目指す努力をしてもらいつつ、「我が家における育メンってこういうこと」という基準を、夫婦2人で築き上げていくことが大切です。
さいごに
いかがでしたか?最悪の場合、離婚につながるケースもある産後クライシス。しかし、その状態が永遠に続くことは絶対にありません。赤ちゃんを授かった喜びを忘れず、夫婦間でのコミュニケーションを大切に、大変な時期を共に乗り越えていきたいですね。
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