「同じようにフルタイムで働いているのに、どうして家のことは私ばっかり?」
仕事から急いで帰って、夕飯を作り、洗濯物を取り込み、子どもをお風呂に入れる。その横で、夫はソファでスマホを見ている。「ちょっと手伝って」と言えば動いてくれるけれど、言わなければ何もしない。そんな毎日に、もう疲れ切っている方もいるのではないでしょうか。
このモヤモヤを飲み込み続けると、ある日突然、怒りが爆発してしまいます。けんかになっても家事の量は変わらず、気まずさだけが残る。共働き家庭でよく聞く、つらい悪循環です。
ただ、夫が家事をしないのには、たいてい理由があります。理由がわかれば、責めるのではなく「仕組み」で分担を変えることができます。
この記事では、共働きなのに夫が家事をしない5つの理由と、イライラをぶつける前に試したい伝え方、家事の分担を変える4つのステップを紹介します。
共働きでも、家事は妻に偏っている
「うちだけがおかしいのかな」と思っている方もいるかもしれませんが、家事が妻に偏っているのは、多くの家庭に共通する状況です。
総務省の「令和3年社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもがいる世帯で、1日あたりの家事関連時間(家事・育児・介護・買い物)は、夫が1時間54分、妻が7時間28分でした。この数字は共働きかどうかを区別しない全体の平均ですが、夫と妻でおよそ4倍の差があります。
5年前の調査(平成28年)と比べると夫の時間は少しずつ増えていますが、それでも差はまだ大きいのが現状です。あなたが「私ばかり」と感じるのは、気のせいではありません。
では、なぜ共働きでも夫は家事をしないのでしょうか。
共働きなのに夫が家事をしない5つの理由
なぜ共働きなのに、夫は家事をしないのでしょうか。

「やる気がない」「怠けている」と思いたくなりますが、話を聞いてみると、別の理由が隠れていることがよくあります。
1. 「家事は妻がやるもの」と思い込んでいる
自分の親が「母親が家事をする家庭」だった場合、夫は家事を自分ごととして考えたことがないかもしれません。悪気はなく、「手伝う」という言葉が出てくるのもこのためです。家事を「妻の仕事を手伝うもの」と捉えている限り、言われたことしかやりません。
2. 家事が「見えていない」
ゴミ出しは「ゴミ袋を集積所に持っていくこと」だと思っていませんか。実際には、各部屋のゴミを集める、新しい袋をセットする、分別を確認する、と細かい作業が続きます。こうした「名もなき家事」は、やっている人にしか見えません。夫は、家事の全体量をそもそも知らない可能性があります。
3. やり方がわからない
一人暮らしの経験がない、実家で家事をしたことがない場合、洗濯機の回し方や、どの洗剤を使うかもわからないことがあります。聞けば済むことでも、「今さら聞けない」と感じて手を出さなくなるケースもあります。
4. やったのに文句を言われた経験がある
「たたみ方が違う」「その洗い方だとまた汚れる」。以前に家事をしたとき、こう言われた経験があると、「どうせやり直されるなら、やらないほうがいい」と考えてしまいます。妻の基準が高いほど、夫は手を出しにくくなります。
5. 仕事で疲れて、家事の優先順位が低い
夫自身も仕事で疲れていて、「家に帰ったら休みたい」という気持ちが強い場合があります。妻も同じように疲れているのですが、夫の頭の中では、家事の優先順位が低いままになっています。
夫の言い分も一度聞いてみる
理由を想像するだけでなく、夫本人に「家事のこと、どう思ってる?」と聞いてみると、意外な答えが返ってくることがあります。
- 「何をやればいいのか、言ってくれればやるつもりだった」
- 「前にやったら注意されたから、手を出さないほうがいいと思っていた」
- 「残業が多くて、平日はどうしても時間がない」
夫側の言い分を聞くと、腹が立つこともあるかもしれません。それでも、相手が何につまずいているのかがわかれば、次の一手を選びやすくなります。「時間がない」が理由なら休日の担当を増やす、「何をやればいいかわからない」が理由なら家事リストを渡す、というように、対策が具体的になります。
理由がわかると、責めるより先にできることが見えてきます。
イライラをぶつける前に試したい伝え方

疲れているときに「なんで何もしないの!」と言いたくなるのは当然です。ただ、責める言い方は、相手を身構えさせてしまいます。伝え方を少し変えるだけで、話し合いがうまく進むことがあります。
話すタイミングを選ぶ
平日の夜、お互いに疲れているときは避けて、休日の午前中など、気持ちに余裕があるときに切り出しましょう。「家事のことで相談したいことがあるんだけど、時間ある?」と前置きすると、相手も心の準備ができます。
「私」を主語にして伝える
「あなたは何もしない」ではなく、「私は毎日家事でへとへとで、仕事との両立がつらい」と、自分の気持ちを主語にして伝えます。責められていると感じにくくなるので、相手も話を聞きやすくなります。
「手伝って」ではなく「分担しよう」と言う
「手伝って」という言葉は、家事の責任が妻にあることを前提にしています。「二人の家のことだから、分担を決めたい」と伝えると、夫も自分の担当として考えやすくなります。
話し合いの準備ができたら、具体的に分担を変えていきましょう。
家事の分担を変える4つのステップ

ステップ1:家事を全部書き出す
まずは、家の中の家事を、細かいものまで全部書き出します。夫に「家事が見えていない」場合、この表を見せるだけで驚かれることがあります。
| 家事 | 見えにくい作業の例 |
|---|---|
| 料理 | 献立を考える、食材の在庫を確認する、買い物リストを作る |
| 洗濯 | 洗剤を補充する、乾いた服をたたんで各自の場所に戻す |
| ゴミ出し | 各部屋のゴミを集める、新しい袋をセットする、分別を確認する |
| 子ども関係 | 保育園・学校の書類を確認する、持ち物をそろえる、予定を把握する |
| 日用品 | トイレットペーパーや洗剤の在庫を管理して買い足す |
二人で一緒に書き出すと、「こんなにあったのか」という実感が共有できます。
ステップ2:担当を「丸ごと」任せる
「ゴミ袋を出すだけ」のように作業の一部だけを頼むと、結局ほかの部分は妻がやることになります。「ゴミのことは全部お願い」というように、ひとつの家事を最初から最後まで丸ごと任せましょう。夫が得意そうなものや、時間の都合がつくものから選ぶと、続きやすくなります。
ステップ3:やり方は任せて、口出ししない
担当を任せたら、多少やり方が違っても、口出しは最小限にします。洗濯物のたたみ方が自分と違っても、生活に困らなければ合格です。「やってくれてありがとう」と伝えるほうが、次につながります。
ステップ4:2週間後に見直す
分担を決めたら、2週間ほど続けてから、「どうだった?」と振り返りの時間を作ります。負担が偏っていないか、続けにくい家事はないかを話し合い、担当を入れ替えたり、減らしたりして調整します。
子どもが小さい家庭の分担例
子どもが小さいうちは、時間帯で担当を分けると、毎日の流れの中で迷いにくくなります。あくまで一例ですが、参考にしてみてください。
| 時間帯 | 夫の担当の例 | 妻の担当の例 |
|---|---|---|
| 朝 | ゴミ出し一式、保育園の送り | 朝食づくり、子どもの身支度 |
| 夜 | 子どものお風呂、食器洗い(食洗機に入れる) | 夕食づくり、翌日の持ち物の準備 |
| 週末 | 日用品の買い出し、掃除機かけ | 献立決め、週の予定の確認 |
ポイントは、帰宅時間が遅いほうにも、朝や週末に「丸ごと任せられる家事」を割り当てることです。平日の夜に参加できない分を、ほかの時間帯で担ってもらえば、負担の偏りは小さくなります。
家事の分担を見える化するには、アプリを使うのも手です。Smuzoo家事シェアアプリで夫婦喧嘩と家事疲れを減らす方法でも紹介しています。
家事そのものを減らす工夫も
分担を見直しても、まだ家事が多すぎると感じるときはどうすればいいのでしょうか。
分担を見直しても、共働き子育て家庭の家事は、二人でこなすには多すぎることもあります。そんなときは、家事の量そのものを減らすことも考えてみてください。
- 食器洗い乾燥機、ドラム式洗濯乾燥機、ロボット掃除機などの時短家電を使う
- ミールキットや宅配サービスで、献立と買い物の手間を減らす
- 家事代行サービスを月に数回だけ頼む
「誰がやるか」でもめていた家事が、「やらなくていい家事」に変わると、夫婦の会話も穏やかになります。
それでも夫が変わらないときは
話し合っても仕組みを作っても、夫が変わらないときはどうすればいいのでしょうか。
話し合いをしても、仕組みを作っても、夫が家事をしようとしないこともあります。そんなときは、ひとりで抱え込まないでください。
親や友人に話を聞いてもらう、自治体の家庭相談窓口や夫婦カウンセリングを利用するなど、第三者に頼ることで気持ちが整理できることがあります。離婚を考えるほど追い詰められている場合は、弁護士など専門家に相談すると、自分の状況に合った選択肢がわかります。
まずは少しだけ気持ちを晴らしたい、という方は、家事をしない夫に実際に試した仕返しの体験談を、家事をしない夫への仕返し3選|共働き主婦が実践した対抗策で紹介しています。
共働きで家事しない夫についてよくある質問
夫が「手伝っているのに」と言います。どう返せばいいですか?
「手伝う」という言葉が出るのは、家事を妻の仕事と考えているサインです。言い返すより、ステップ1の家事リストを一緒に見ながら、「どの家事を担当してくれる?」と聞くほうが、話が前に進みます。
夫のほうが収入が多い場合、家事の負担が偏るのは仕方ない?
収入の差をどう考えるかは、家庭ごとに違います。目安になるのは、二人とも納得しているかどうかです。どちらかが我慢を続けている状態なら、収入にかかわらず、一度分担について話し合う価値があります。
家事をしない夫はモラハラにあたりますか?
家事をしないことだけで、すぐにモラハラと判断できるわけではありません。ただ、暴言や人格を否定する言葉、生活費を渡さないといった行為が重なっている場合は、自治体の相談窓口や専門家に相談してください。
まとめ:責めるより、仕組みで分担を変えよう
共働きなのに夫が家事をしないのは、「家事は妻の仕事」という思い込みや、家事が見えていないこと、やり方がわからないことなど、理由があることがほとんどです。理由がわかれば、責めるのではなく、家事を書き出して担当を丸ごと任せるという仕組みで、分担は変えられます。
まずは今週末、家の中の家事を一緒に書き出す時間を作ってみてください。紙1枚の家事リストが、二人の会話のきっかけになります。
※家事関連時間のデータは、総務省「令和3年社会生活基本調査」の公表資料をもとにしています。


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