我が家は、長男が三歳児健診で言葉や発達の遅れが指摘されたことを受け、公の支援を受けながら療育していくことを決断しました。
しかし地域の自治体の取り組みとして、未就学児に対して一体どんな支援があるのか、うちの息子にはどんな支援の方法が向いているのか…全く知識がありませんでした。そのため支援の種類や特徴についての情報収集から始める必要がありました。
目次
子供の発達に不安を感じた時に相談できる機会や場所
我が家もそうでしたが、多くの方が乳幼児健康診断の機会に発達相談をする場合が多いようです。我が家の地域では、乳幼児健診は1ヶ月、4ヶ月、10ヶ月、1歳6ヶ月、3歳、5歳(うちの地域では2015年より新しく始まったもので、これは必要な家庭のみ電話等にて予約をし、保健センターで実施されます)の時に行われます。
子どもの発達の遅れに気づく方は2~3歳の時という方が一番多く、1歳6ヶ月児健診、3歳児健診の機会に相談し、様々な手立てを講じる方が多いと聞きます。
続いて4歳、就学時(幼稚園・小学校など、集団生活が始まって集団行動や友達関係、また他の子どもとの差異により異変に気付く)という方が多いのですが、間近に健診がない場合などの相談できる場所とはどこなのか、これはうちの地域ついての情報ですが、他の地域においても似たような施設はほぼ存在すると思いますので、参考までに紹介します。
・小児科医・児童精神科・地域教育相談・精神発達相談・児童デイサービス・児童相談所
・ことばの教室・幼稚園、保育園・小学校・特別支援学校・幼児教育センター
などです。お子さんの年齢や状況、または発達支援に必要に思われるところから幾つかピックアップして連絡や相談をし、よりお子さんに必要な支援やサービスを受けられそうな場所を見つけることが大切だと思います。
また、どこに相談して良いのかわからないなどの場合は、「相談事業所」がありますので、そちらで専門のスタッフの方に相談し、より適したサービスは何か、一緒に考案していくことも良い方法だと思います。ちなみにほとんどの相談事業所では相談料などは無料です。
息子にあった「発達支援」の決め方
我が家の発達支援に対する希望は次のようなものでした。
・幼稚園入園に向けて、少しでも集団に適応できる力をつけたかったので、なるべく早く利用を開始したい、また頻度もできる限り多くしたい。
・特に言葉については専門的な療育をしっかりと受けたい。
・幼稚園入園後も利用したいが、できれば幼稚園における遅刻や欠席はさせたくないので、降園してからも通えるような、幼稚園と併用できる場所にしたい。
・集団での適応や社会性にも不安があるので、集団生活におけるスキルについても指導してほしかったので、集団指導、できれば目が届きやすいよう小集団での療育がある所が望ましい。
・入園予定の幼稚園は、規模の大きな、いわゆる「マンモス園」なので、個別指導と少人数の両方で指導していただける場所を希望したい。
などの条件を満たしている場所を検討することにしました。
児童発達支援センターのような公の施設で、療育に関する資格を所有した専門のスタッフが在籍する場所はとても魅力的でしたが、予約がいっぱいで1か月待ちの所が多く、また週に1度、あるいは月に1度という、とても少ない頻度のものばかりでした。
色々比較しましたが、私たちの希望によりあっていたのは「児童デイサービス」いわゆる児童発達支援事業所でした。
児童デイサービスの利用内容。利用回数と費用と減免措置
児童デイサービスは、障がい者手帳や療育手帳がなくても、医師や児童相談所、保健センターなどの専門のスタッフから、療育などの発達支援の必要性が認められ、市町村から受給者証が発行されれば利用が可能になります。
また、利用の回数についてはひと月23回、14回などの上限があり、それは子どもや保護者の状況や意向などを踏まえた上で、受給者証の手続きをする時に決められます。
児童デイサービスの利用料
利用料金は受給者証を取得することで、自己負担額は1割になります。またさらに、保護者の前年の所得により、負担する上限が決められているので、月にどれだけ多く利用しても、下記の料金以上の負担はありません。
※所得ごとの負担上限月額
・生活保護受給世帯、市町村民税非課税世帯…0円
・市町村民税課税世帯(年間所得がおおむね890万円以下)…4,600円
・上記以外の世帯(年間所得がおおむね890万円以上)…37,200円
ただし、施設によっては、この他におやつ・給食代、教材費などが利用回数分加算されることになります。
ちなみに、我が家で利用していた児童デイサービスは、おやつ代100円(午後の療育の場合)又は給食代300円(午前の療育の場合)、それにプラスして教材費が100円、利用回数分かかりました。
※「多子軽減措置」といって、同世帯に就学前の障がい児通所サービスを受けている児童が2人以上いる場合、負担金額が減るというサービスもあります。
※さらに、給食などの食費においても所得に応じて減免される措置があります。
◇送迎してもらえる
これは、保護者の意向や施設にもよりますが、ほとんどの事業所では自宅までの送迎があります。しかも、送迎の利用に関する費用も、先程の利用料に全て含まれているので、加算されません。多くの回数の通所を希望していたため、幼い弟がいる我が家は、特に悪天候時に大変助かりました。
多様化する児童デイサービス
デイサービスで提供しているサービスや療育方針などはそれぞれの施設によって異なります。例えば、音楽を療育に活用している所もあれば、運動機能の充実を中心にした療育を行っている所もあります。
また、保育園や幼稚園のような集団を活用した療育を行ったり、個別指導で個々に合わせた指導を行ったり、また集団と個別を組み合わせたり…と指導方針によってデイサービスの特色は多様化しています。
給食についての提供も事業所の方針で有無が決まります。給食があると利用料金はかかりますが、家庭での負担が軽減され、集団で食事をする体験やそれに適応するための指導を受けることもできます。
お子さんの特徴や発達目標を見据え、さらに家庭の状況により合った事業所をじっくりと選んでいきたいものです。ただし、人気の事業所や通所を希望する時期によっては「空き」がない場合が多く、消去法でしか選べないこともありますので、早めに見学・選択していくことが大切です。
児童デイサービスの事業所選びは慎重に
また、児童デイサービスにおける利用者は急増しており、施設数も同様に増えてはいるものの、残念ながら営利目的で設置する悪質な業者や、障害の特性を十分理解していない業者も多く、必要な有資格者を設置していないなどで行政処分の対象となったり、さらにはいじめや虐待などのトラブルになったり、十分な療育が受けられないなどの事例が絶えないと聞きます。
我が子により良い療育を受けさせるためにも、見学、できれば体験通所を行い、可能な限りガイドラインなどをもらい内容をチェックするなど、事業所選びは慎重にしたいものです。
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